中学受験は子供の問題、と割り切る
偏差値向上戦略、みたいな前回の記事をみると、ずいぶんギラギラと中学受験勉強にのめりこんでいるようだ。我ながら、怖い・・・。
学校見学やらテスト対策やらの合間に、中学受験関連やその他、それなりに本を読んだ。親の成功体験的な本は立ち読みでさらっと(→こんなの出来るわけない、と思うしかないから)。
塾関係者による勉強対策系の本は、それなりに参考になった。西村則康さんの「中学受験は親が9割」とか。
そんな中、受験勉強に突入した息子との関わり方を考える上で、以下の本の影響を強く受けている。中学受験に特化したものではないので、子育ての日常にもとても参考になる。
「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」(岸見 一郎、 古賀 史健)
「アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために」(岸見 一郎)
ちょっと流行のアドラー心理学。「嫌われる勇気」は大ベストセラーになったので、ご存知の方も多いはず。
アドラー心理学の内容をここで解釈できる知識はないし、正しく理解できている自信もない。ただ1つ、育児(子供とのかかわり)において心に響いたのは、
自分と子供とを区別すること(その目的も)
つまり、自分の子供であっても自分とは異なる個であり、そこには彼らが自分で選ぶ人生の目的がある。親が出来ることは、勇気づけ のみ。
確かに、受験勉強のプロセスと結果で得られるもの、失うもののどれをとっても、実際のところ母親である「私」の問題ではない。あくまでも「息子」の問題だ。
「勇気づけ」に徹するという考えは、受験に伴走する親にとって楽でもあり、時につらくもあるかも。
「オプティミストはなぜ成功するか」(マーティン・セリグマン)
米国の心理学専門家が、膨大な実験や分析結果からオプティミストとペシミストを比較し、いかにオプティミストは成功するかを解説。同じ能力でも、考え方や物事の捉え方の差で結果に明確な差が出るという。とにかく分析実例が豊富で説得力があり、納得しながら読み進めた本。
受験勉強の中で参考になるのは、失敗と成功の捉え方。
たとえば模試の結果が振るわなかったとき。オプティミストは自分の外側や一時的な要因に原因を求める(他人やモノのせいにする、一時的なもの)。対してペシミストは、自分の内部や能力に原因があると悲観する(恒久的なもの)。
「教室の暖房が暑すぎで集中できなかったなぁ。」→オプティミスト
「お母さんが出るって言った問題が出なかった。山がはずれた。」→オプティミスト
「僕はいつも簡単な計算を間違える。計算能力が人より劣っているのかも。」→ペシミスト
その一方で、オプティミストは成功は自分の能力(恒久的なもの)によると考える。
この一見調子よい考え方や発言は、その後の成功度合いにかなり影響するらしい。
これらの本のおかげで、随分気持ちが楽になった気がする。
- まずは、受験は子ども自身の問題(自分の問題ではない)と明確に区切り、彼らが目的を達成できるように勇気付けに徹する。
- 失敗は一時的なものと楽観視する(行動に原因があるなら、行動を見直せばよし)。能力など恒久的なものではない。でも成功したら、俺って頭いい~~と調子よく喜ぶ(おだてて喜ばせる)。
こんな感じで、なんとか乗り切っていきたいものだ。